光暈 - 2/2

ふと気付くと彼の片方の手が、胸から下がっていってお腹をなぞって、そのまま更に下へと向かおうとしていた。

……今、そこに触れられたらどうにかなりそうだ、そんなことを思うと勝手に私の手は彼の手を止めようとするように、上から掴んでいた。
でも、有無を言わさず彼の手はさらにお腹の下の方に触れようとする。恥ずかしいのに、触れられる予感で足がもじもじとしてしまうのが余計に恥ずかしい。

おへそのあたりをくるりと撫でられたのはただくすぐったいだけだったけど、その手が足の付け根のあたりを撫でたときには、違う感覚になっている。
ふともものあたりまで柔らかく撫でたあとに、ついに彼は私の足の間に手を伸ばす。
彼の指はそこを探す必要もなかった、抱きしめられてキスされただけで、直接触れられる前からお湯とは違う熱さでどろどろになっていたから。

「んッ…あ、あ、……ま、って……」
「……ここ、さわられるの好きだよな」
「ッ……! あ、あ、…ッ!」

耳元でささやかれる声と、ざらついた指先で、熱を持ち主張し始めていた敏感な中心を優しく撫でられるだけでつま先まで痺れるような刺激が走って、私は思わず声を上げていた。
バスルームではそんな声まで大きく響いてしまって、私はとっさに自分の口の上に手をのせる。でも、ブチャラティはその声が聞きたいのだと言うように私の手に指を絡めてくるから、口を押さえることもできなくなってしまう。
ぐちゃぐちゃに濡れたそこを、太い指が柔らかくとんとんとたたく様に触れて、優しく撫でてくれたかと思えば、ぐりぐりと少し力を入れてこすられる。
彼の指先が動くがままに声が止められずびくびく身体を震わせるしかなくて、そんな姿を見て興奮してくれているのか、彼が後ろから抱き締める腕に更に力がこもる。

「ぶちゃ、あ、んッ……それッ……!」
「ン? 違う方がいいか…?」

今度はそう言いながら、彼に触れられてだらしなく熱い雫をこぼし続けるそこに、奥からとろとろと溢れてくるものを混ぜ戻すように、肉を割ってブチャラティの指がゆっくりと私の中に入ってくる。

「あああっ! …ん、んぅっ…!」
「ふ……良さそうだな」

優しい響きで笑った息の音をこぼしてから、ぼそりと耳元で低く囁かれる。声はひどく優しいのに、ゆっくりと入ってきた指は少しずつ本数を増やしながらゆるい出し入れを繰り返しはじめる。腰が思わず逃げようとして、勝手につま先立ちになって太ももは閉じようとしてしまう。
それでも後ろからしっかりと抱きしめられているから逃げ出せなくて、出し入れを繰り返しながら、私の快感が引きずりだされるようなポイントを探ろうとするかのような指の感覚に、背中にぴったりとくっついている彼の身体の熱に、どちらも快感を高められて簡単に追いつめられていく。

あの綺麗な骨の形をした、私の大好きなブチャラティの指が自分の体の中をかき混ぜている、そう認識するだけで理性は簡単にふき飛びそうだった。指が動くのに合わせて声が漏れるのを必死に耐えようとするけどあっという間にそんな我慢は消し飛んでしまう。

「ア、んあっ……! も、イッちゃう、や、あ、」
「……いい子だな。さあ、イッちまえ」
「も…だめっ…! イッ…くぅうッ……あッ…!」
ぎゅうっとナカが彼の指を締め付けるのを感じる、波が何度もやってきて、その度に彼の指を強く感じてしまう。
耳元でささやかれる声に、私を逃がさないように強く抱きしめる腕に、本当に、今私の奥まで触れているのはブローノ・ブチャラティなのだ、当たり前のことを理解させられるたびに更に頭の奥まで痺れてくらくらしてくる――。

一回達したっていうのに、普段だったら訪れるはずのけだるい満足感はむしろ遠くて、私の身体には本格的に火がついてしまったようだった。
それは彼も同じようで、お尻にひときわ熱くなったものを当てられているのに気付く。それだけで、さらに顔に血が集まってしまうばかりだ。

このままだとなんだかのぼせてしまいそうで、私はシャワーのコックをひねってお湯を静かにさせてから身体をゆっくりと反転させて振り返ると、ブチャラティの顔を見上げる。イッたばかりでふわふわした頭のまま彼の顔をじっと見つめながら、勃ち上がっている彼のものにそっと触れる。
私の指先が触れただけで、彼は一瞬だけ息を詰めて、目を少しだけ細める。我慢強くていつでも優しくて涼やかな顔をしている彼と、どこか遠いようにすら感じるくらいのむき出しの欲が私の目の前にある。……その熱が、私に触れて、私をとろけさせて、それで生まれた熱だと思うと、さらにいとおしくてしかたなかった。
触れる前から凄く硬くなってるのがわかるくらいだったそれは、手を添えれば焼けるように熱くて、そしてもうぬるりとしずくをこぼし始めていた。その柔らかなしずくを指ですくいあげるように、彼の熱を握るようになでる。さっきブチャラティが私にしてくれたやり方をまねる様に、強弱をつけて。

「ナマエ ……はぁ…ッ…く、」

気持ちいいときに彼が見せる、その眉がきゅうっと寄って少し怖い顔にも見える表情が、私はすごく好きだった。私しかきっと見られないのだ、私が彼を気持ちよくさせているのだ、そう思うとたまらなくなってしまう。荒い息を吐きだすブチャラティの顔をもっと見たくて、じっとその顔を見つめたまま何度も手のひらを上下させていると、手の中はさらにぬるついてきて、くちくちとやらしい音がバスルームに響きだす。そうしているうちにさらに眉が寄せられる。……ああ、かわいい、気持ちよくなってほしい、もっとその顔が見たい、ブチャラティもイってほしい――。
でもそんなことを考えていたら、突然、彼は正面から私を強く抱きしめたのだ。
そして、生理的な動きでゆるゆると揺れる彼の腰が、私のおなかに熱をこすりつけはじめる。……ああだめだ、そんなことされたら無理、本当に我慢なんてできない、今すぐ、……欲しくなってしまう、彼が。それだけでお腹の奥がきゅうっと甘痛く響く。

「俺も……限界そうだ……。一回、ここで出させてくれ……」
……でもブチャラティの方はやっぱり、たとえ自分がどんなに限界でも、私に少しでも〝負担〟になることはしないと決めているようだった。色々と準備の伴わない状況のこのバスルームで最後までする代わりに、私の首筋に顔をうずめて、ちゅ、ちゅと音を立てて首から耳にかけて口づけながら、ときどきぬるりと私の肌に舌を這わせながら、なおも私のお腹にその濡れた熱を押し付けつつ自分の手でゆるくしごきはじめる。
その全てに、今、彼が抱えた熱を強く強く見せつけられるようだった。

……そんなの、私の方こそ限界だった。

「待って……」

彼の肩をそっと掴んで囁くと、ブチャラティは熱がにじんだ目でこちらを見つめながら動きを止める。私はシャワーブースのドアをそっと開いて、自分で持ってきたバスタオルの間に挟んだアルミパウチに包まれたコンドームを取り出す。……なんか、急に照れてきた。すごく、私ばっかりがしたいみたいで。

「……これ…も、って、きた……から…最後までしたい……一緒に、」

彼の顔を見られないままそれを差し出しつつ呟くと、再び思い切り強く抱きしめられた。何が起きたのか一瞬わからなくなっている私にすりすりと頬をすり寄せながら、ブチャラティは耳元で低くつぶやいた。

「……悪い、……今の、……かなり興奮しちまった……」
その一言に、私の方までもちろん興奮してしまうし、その言葉だけで引きずり出された快感が頭のてっぺんまでぞわぞわとした波となって身体をかけめぐる。

「わ、るいことないから…………。今度からは、お風呂場にも置いておくし……」
言ってしまってからハッとなる。またこうしてシャワーを浴びながらしたいって言ってるようなもの……?
でもそんなことに思い至っているのは私だけで、彼はただ、ちゅっと音を立てて私の額にキスをしてくれた。
「……前からだと、体勢がキツイだろうから……後ろからでいいか?」
「う、うん」

大人しく、言われたとおり彼にくるりと背を向ける。背後では、アルミパウチを破って彼がセックスのための準備をしている音がする。キスされ指で触れられ、与えられる快楽に満たされているときよりも、こうして彼が、私とつながるためだけに必要な準備をしている、そう理解させられるわずかな時間が一番高揚と羞恥とで頭がぐらぐらと煮えるようで、それをやり過ごすために壁に縋り付くように小さくなってしまう。
だけどブチャラティはそんな私の姿を見て、急に不安になったのかと思ったようで、背後から優しく抱きしめられた。

「……平気、か? 無理にここでする必要はないんだ、」
彼の言葉はいつだって本当だ。わたしがここでやっぱりこわいと言えば、このタイミングでだってブチャラティは無理に押し進めたりしないことを、私は知っていた。……だからこそ、はっきり言わなきゃいけない。
「ううん! したい、凄く……」

あたたかな蒸気に満ちたバスルームの中だっていうのに、緊張と興奮で口の中がひどくかわく。

「ブローノが、……ほしい」
「……っ、」

興奮したような息の音が聞こえたあと、熱くなった彼のものが押し当てられる。

「ナマエ」

名前を呼ばれて、そっと振り返る。彼はこぼれてきた髪を耳にかけてから、ささやく。

「……キツくなったら言ってくれ」
彼の方を振り返りながら私がうなずいてから、そっと腰に彼の片手が回される。……熱い。そしてその手に私は逃げられないようにされながら、彼の昂る熱の塊がゆっくりと私の中に入ってくる――。

「あ、んんッ…。……あ、ああ…!」

指とは違う、狭いそこをぐっと押し広げてくる感覚と、そうして押し広げられながら私の奥の奥までゆっくりと入ってこようとする熱いものに、お腹の奥から声を引きずり出されるかのように、勝手に口から言葉にもならない声が漏れ出てきてしまう。少しずつナカに入ってくる感覚、すごく……気持ちよくて、甘い痺れが頭の中でぱちぱちと弾ける。
少しして、お尻に彼の身体がぶつかった。その感覚に、奥まで入ったのだとそう理解させられるようで思わず身体がぶるりと震えた。

でも、確かに感じる「彼とひとつになっている」という気持ちよさと嬉しさと同時に、入れてもらってすぐはいつも少しだけ苦しくなってしまって息も浅くなっているのに、ブチャラティは気づいているのだろう。彼のモノで押し広げられると、そこは何度受け入れてもはじめは少しだけ痛みも圧迫感も残ってしまうのだ。彼は何度か柔らかに私の腰を撫でながら、まずは動かずに私の顔をのぞき込んで、そっと囁く。

「……キツくないか?」
その言葉に首を振って見せる。
「だい、じょうぶ……」

それでも、いつも彼はわたしの身体が馴染むまでゆっくり待っててくれるのだ。
だけどそれだってきっと楽なわけじゃあないはずだ、だって、私の耳を撫でるブチャラティの呼吸は荒くなっている。

「動いて…へいきだよ」

その言葉に、ブチャラティは返事の代わりに私の髪に音を立ててキスをする。
ゆっくりと彼が腰を引いて、また奥まで打ち付ける。ゆるゆるとした抽挿は、だんだん我慢しきれなくなるみたいに激しくなっていく。

「ひっ、……ん、あ、あ! ……んんんッ!」

身体と身体がぶつかりあう音、すでにどろどろに蕩けきっていた私のナカがかきまわされて立てるやらしい水音、どっちもがひどく響いて耳からも更に快楽を注ぎこまれるようだった。
ぱたぱたと背中にこぼれてくるのは、濡れた彼の身体からこぼれたお湯なんだろうか、汗なんだろうか、――汗だったら良い、こぼしてほしい、そんなことを思いながら、私は余りあるくらいに与えられる快感に意識を飛ばさないようにと必死になっていた。押し込まれるようにどんどんタイルの壁の方に近づいていた私の身体を、気づくと彼の手は、私の腰と二の腕をぐっと掴んで逃げられないようにしていた。
がっちりと掴まれながら後ろから腰を打ち付けられると、もう気持ちよすぎて頭の中がふやけていくみたいだった。

「…うぁ、あんッ…あ、あっ…は…ぁッ…!」

ぐっと彼のが奥まで押し込まれるたびに出てしまう高い声は、なんだか誰かほかの人の声のように思えてくる。だから余計に止められなくて、何度もだらしなく、聞き覚えのない甘い声をこぼしてしまう。
濡れた身体で、同じ体温で、熱い湯気が立ち込める中でこうしていると――なんだか、やっぱりお互いの中に溶けていくみたいだった。

「ぶろー、の……きもち、いい……?」
私ばっかり気持ちいいのじゃだめだ、そんなことをふと思って、ふやけかけた頭のままただつぶやく。

「……ああ、ナマエ…。……最高だ」

ブチャラティに、少し苦しげな声で、低く耳元で名前をささやかれただけでもうダメだった、背筋に甘い痺れが再び走って、彼を受け入れるために熱くとろけたそこにきゅうと力が入ってしまう。
「……ッ…く、…っ、…きついな……!」
「んンっ…。ひ、……あ、あ! あっ!」
それが合図だったかのように、彼は壁に腕をつくと、まるで追い詰めるみたいに更に激しく私に腰を打ち付けはじめる。私の口からこぼれる声も半分悲鳴のように高くなる。

イこうとしてるんだ、わたしのナカで、ブチャラティが、
……そう理解してしまうと、今でも十分限界なのにこっちもさらに快楽を身体が必死に追うばかりになってしまう、他に何も考えられない。
彼とタイルの間に挟まって、壁に押し潰されながら声を上げるしかない、きもちいい、すき、に頭のなかが塗りつぶされていく――。

しかし突然、ふる、と何かをこらえるように彼が動きを止めた。まだ、最後まではイけてないと思うのに。
ブチャラティはまた苦しそうな息を吐きながら、すりすりと……なにかの動物みたいに私に顔を寄せた。
どうしたんだろう、そんなことを思いながらふと顔を少し上に上げると、彼がそっと囁いた。

「きみの……顔を見ながら、したくなっちまった……」

耳元でそんなことを苦しそうにささやかれて思わず目を見開く。
その言葉で胸の奥がきゅうと苦しくなる、そんなこと、そんなかわいいこと言うなんて、ブチャラティ、あなたって人は!
普段の、優しさという概念を人の形にしたら彼になるような理性の人が持つ欲、しかも私にだけぶつけられる形の欲を見せつけられて、それだけで胸がいっぱいになってしまうくらいだっていうのに。
きっと立ったままで前からしたら、もしかすると私がつらくなるかもとかそんなことを考えているのかもしれない。……構わないのに、そんなこと。

「わたしも、ブローノの顔が見たいな……」

だって、今すぐ抱きしめたくなっているんだから。

「……オレにつかまって、そう……」

しがみつくように、彼の首の裏に手を回す。彼の顔が近くて、それだけでなんだか幸福なのは確かなのに、さっきまで激しく熱をぶつけられていた、とろとろと雫をこぼすそこでもう一度彼を受け入れるのを期待して、心臓の音がばくばくいっている。

「足……持ち上げてもいいか、」
無言のままこくこくとうなずいて見せれば、片足を抱えるように持ち上げられてしまう。……少し、恥ずかしい。

それからゆっくりと、ふたたび彼が私の中に押し入ってくる。最初の時より簡単に彼のものを受け入れてしまうのは、その分快感がそこに蓄積しているからだった。ゆっくりと肉をかき分けられ、奥の奥まで入ってこられるだけで、甘く達してしまいそうになって目をぎゅっと閉じて何とかこらえる。
それから、ぴったり彼の身体と私の身体が重なって、思わずため息を吐いた。お腹のなかが彼で満たされている感覚は、いつ感じても何より幸福でしかたなかった。

「熱い……凄く熱いな。君のなかは…」

耳元で彼の独り言のように呟かれた声に、それだけで体がぶるりと震えて、小さく声が漏れてしまう。それに気づいたブチャラティが、また、そっと息だけで笑うのを聞いた。

そっと彼の顔を見つめる。今の自分がやらしい期待に満ちた顔をしていることくらい、わかっていた。

ブチャラティは、ゆっくりと律動をはじめる。奥まで何度もあてられてしまえば、あっという間にさっきまでさんざん気持ちよくされてたのを身体が思い出してしまって、すぐにイキそうになってしまう。

「あああ…ッ……ん…、んんっ…」

でも、彼の腕の中に抱きしめられているのがあまりに幸福で、あっという間に達してしまいたくはなくて、必死にこらえる。そうして縋り付いた先の彼は、私の大好きな顔をしていた。寄せた眉の間に線が走っている、快楽をこらえて少し苦し気にも、必死にも見える表情。
好きだなあ、そう思いながら彼の顔をじいっと見つめていたら、ブチャラティはまた私にキスしてくれた。こうして繋がりながらキスをすると、私の中がブチャラティでいっぱいになってしまうみたいだった、気持ち良くて、ただ幸福で、何も考えられなくなる――。

ぐちぐちと何度も奥までえぐられるたびに、私もめちゃくちゃになるけれど、
「んっ……ふ、…っ、く、」
耳元で聞こえる、こらえきれずに彼がこぼす声が好きだった。まるで気持ちいいって言ってくれてるみたいで、たまらない気持ちになってしまう。

「イイか…?」
そんなこと考えていたら彼の方からそっと問われて、必死に何度もうなずくことしかできない。あとは口から漏れ出るのは、私が彼を感じているのだという意味以外は何もない、言葉未満の音だけだった。
「まるで君が……オレに吸い付いてくるようだ…」
……そんなこと言われたら、もっともっとおかしくなりそうだった。思わずつぶやいてしまったというようなその声に、さらに顔に血が集まって熱くなるのがわかる。さっきまで激しく何度も奥に触れようとしていた彼の動きは、今はゆっくりと私のナカを味わうような、かき混ぜるようなゆるい動きに代わっている。ゆっくりになっても、むしろさっきまでとは違うところをひらかれるようで、快感は変わらない。
「う、うぅ…はずかしい、それ…」
なんだか同じことを考えてたみたいで、それは嬉しいけれど。ゆるい動きの中でなら何とかつぶやけたけど、それきりになった。

だって、私の言葉を聞いたブチャラティはまた激しく奥へ奥へと腰を打ち付け始めたから。

「いっ…あ! い、つもより…激しっ……あっ、あっ!!」

必死に彼にしがみつきながらほとんど叫ぶような声が出てしまう。もうバスルームに声が響くとかそんなこと気にする余裕はなくなっていた。

「聞かせてくれ……聞きたいんだ、君の声が」
「好きっ…! きもち、い、あっ、……あ、」
「……もっと、呼んでくれ」
「ぶろー、の、……あ、アッ…!」

さらに深く、もっと奥へ、いつも私を甘やかすように触れる彼が、獣の様に私を追いつめてくる。彼に耳元でささやかれるがままに、喘ぎの中で何度も彼の名前を呼んで、好きだと叫んでいるうちに、ついに私は限界になっていた。

「あ、あっ…ああああっ! いっちゃ、いっちゃうぅ……ッ」

ぎゅううう、と彼にしがみつきながら、限界を迎えながら、熱の杭を打ち込まれていたそこもぎゅっと締め付けてしまう。快感の波で何度もきゅうきゅうとおなかに力がこもってしまう中で、ブチャラティもついに、私の一番奥までぐっと押し付けながら、私の名前を呼びながら達した。

「ナマエ……」

ブチャラティのものが、私のナカでどくどくと脈打つのがわかる。薄い膜越しだとはわかっているけど、ひときわ熱いものをぶつけられている感覚があって、また甘くイってしまって身体が震える。
彼の筋肉のついたきれいなお腹が、その拍動に合わせるようにびくびくと力が入ってへこむのが目に入って、なんだかただそれだけでも、ひどく愛おしい気持ちになっていた。

甘くてだるい満足感に、顔がふにゃりと笑みの形にだらしなく緩む。その顔のまま彼を見上げたら、目があって一瞬彼の瞳が震えたように見えて、その揺れについて聞き返す前にさらに深く口付けられていた。

達したあとのふわふわする感覚のまま、ふたりでなんとかシャワーから這い出て、濡れた髪のまま、まずはパスタを茹でる。だってふたりともなんだかすごくお腹が空いていた。理由はもちろんわかっていたけれど。

お皿を準備している間にも、我慢ができないとでも言うようにそっと指の背で私の頬をなぞって微笑む彼も、そうされてニコニコする私も、お互いひどく眠そうだった。

ダイニングテーブルについたころには、帰宅した直後のブチャラティの目の奥に宿っていた、妖しく鋭い光が消えいつもの彼に戻っているのを見た。

一緒に過ごすことで、心をほどくことが出来たのだ。その実感は、それがどんなに些細なことだろうと、私にはものすごく嬉しいことだった。
テーブルの向こうで眠そうにパスタを口に運ぶブチャラティをひときわ愛おしく思いながら、もう一度抱きしめたいな、そんなことを考えていた。

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まろてん様のイラストとコラボさせていただきました! イラストつきでみたい方はこちらのツイートに反応ください/小説投稿・再録・リンクの許可ありがとうございました!